7月21日

三度目の全体稽古日でした。が、が。

大まかに二部構成になった日でした。


一部(13~18時)

・オーディション

・個別自主稽古

二部(19~21時)

・基礎稽古

・即興芝居

・立ち読み


こんな流れになりました。

今回はオーディションの関係で写真が無いので、本当にただの記録になりそうです……。


●一部

この日はありがたい事に、男性一名、女性二名の応募があり、

俳優もほぼ全員揃い、かなり賑やかな時間になりました。

最初は全員でアップを。演出が所用で遅れた為、至急演出助手の仕切りが入ります。

来たばかりの皆さんに涼んでもらいながら、いつもの自己紹介。

そして準備運動からのジャンプ(※)、そしてM&Mを行いました。


※ジャンプ……曲に合わせて只管跳び続けるだけのワーク。かなり筋肉に来る。


M&M中にようやく演出家が到着。丁度、オーディション組にM&Mを仕掛けていた最中でした。

ここから演出家にバトンタッチ。とはいえ、個別自主稽古の時間がメインとなりました。


ここでは個別自主稽古組の話を記していきます。

筆者である助手が主に関わったのは、回想シーンの主演二人と、現代シーンでのキーパーソン役。


キーパーソンに関してですが、主演と主に絡むので、まだ相手役が決まっていない状態である事、

そして作品全体を通じて関わって初めて演じられるものがあることを考慮し、私と本読みをしつつ、

演出家からのアドバイスも貰いつつ、その後は回想組と合流して稽古風景を見ていました。

キーパーソンである美希という役を演じてくれることとなった、茂木花純さんについては、いつか

私視点でも触れられたら良いなと考えています(というか役者紹介の記事を書こうと思っています)。


一方の回想組ですが、現在お二人共に苦戦している課題がありまして……。

演出家の、【当時の、昭和30年代の喋り方を身に着けてほしい】というオーダーです。

具体的な時代に関しては、戦後間もないので昭和30年としていますが、要するに、あれです。

あのモノクロ映像時代の、ドラマや映画の話し方です。ちょっと子音が際立つような、

高らかな女性の声と、ぼそぼそと、渋さが際立つ男性の話し方。言語化難しいんですけどね。

これ、なかなか現代を生きる俳優たちには、まず無い発声の仕方な気がします。現代人全員。

案の定(?)頭を抱えまくっているお二人の姿がありました。映像とずっと睨めっこしていて。

とは言え、私も演出家も、「出来る所まで精度は上げてほしいけれど、先ずは、お客様に、

”タイムスリップしたな”と伝われば大丈夫。演技を縛りたくはない」と考えています。

回想の主演お二人も、かなりの頑張り屋さんなので、期待が高まってしまうのですね、きっと。


そんなこんなで、オーディションが無事終了したのがなんと17時半。

それまでずっと個別稽古時間だったので、皆さん本当にお疲れ様でした。

その後、相手役の決まっていない俳優さんと、課題にぶつかっている回想組のお二人と、

演出家の計らいもあり、少しすり合わせをした後にこのタイミングで解散してもらいました。


●二部

事前連絡でこの時間から参加します、と貰っていた俳優さんが一人いらしたんですが、

今日は解散しようか、と演出家が連絡してみた矢先、稽古場最寄り駅に来てくれていたので、

舞台経験がほとんど無いことを考慮した助手から、「基礎訓練しません?皆帰りましたし」

と提案したところ、再び演出家から助手にバトンタッチ。この日の助手は臨機応変でした。


という訳で基礎稽古ですが、一部とは別のメニューを行いました。

ゆっくりと身体を伸ばし、なるべく無理していない状態に身体を持っていき、リラックス。

途中参加の彼は、本格的な舞台経験は今回が初めてとのことで、そもそも舞台に立つこと、

演技をすること、に対する緊張が見えたのが特徴的でした。気持ちはとても分かります。

なので、そもそも舞台や稽古というものに慣れてもらおうと考えたのが助手の視点でした。


一連が終了した時点で早くも一時間が経過。一人の身体をほぐす為にはそれくらい必要なのです。

ここで演出家に一度バトンを返しました。彼も、身体に関するワークをよく行う人です。

(私もこの日に初めて実践したのですが、これ効く人にはとんでもなく効いてしまうワークで、

感受性が豊かな人には安易な気持ちでオススメできない代物だなあと個人的には感じています。

私が取り組んだ様を見た演出家曰く、私は殻が薄いそうです。いやあ……、大変でした。笑)


このワーク一つだけで30分は経過していたと思います。

しかし、こうして自分の身体とゆっくり向き合う事で、俳優の顔つきも随分と和らいでいました。

このまま解散するのも勿体なく感じた助手は、ここで即興芝居の提案をしました。


現在、演出助手として作品に携わっている私ですが、ここの団体以外でも演劇を学ぼうと、

即興のプロの方の元に何度か足を運んでいます。今公演終了後もまたお邪魔したい気持ちです。

なので、そこでの経験を活かしつつ、俳優の様子を見ていたのですが……、


「彼めっちゃ面白いぞ!?」というのが演出家と私の抱いた感想でした。


怖いもの知らずの素直さ、自主性、相手の提案にどこまでも乗っかる力もある。

技術をしっかり学んでいない今だからこそ出てくる、素の自分の魅力。

良い物を見せてもらいました、初めましての時に緊張していた彼と同じ人なのか?と思う程……。

最後に、本を持って貰いながらですが、本役のシーンをやって、この日は解散となりました。


先週の稽古が夜の部のみの開催になってしまったので、記事も先週に比べて随分と物量があります。

とはいえ、徐々に俳優たちの魅力が光ってきているので、私個人は本番が楽しみな一日でした。

改めて、俳優紹介のブログを書こうと心に決めた演出助手でした。本番近くなったらですが……。


宜しければ、引き続き気に掛けてくださいますと、私が嬉しいです。私が、です。


それでは、また次回。


筆責:友稀(演出助手)


Project Act Tokyo

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