8月11日

6度目の日曜日。そうなんだ(もう記憶が怪しい)。

さて、X(旧Twitter)で助手の「脳みそが疲弊しきった」この日の稽古ですが、

その原因を探りつつ、俳優の様子をしっかり振り返って行こうと思います。


13:00~13:30…助手先導アップ

13:40~17:00…回想シーン稽古

17:00~17:45…現代組一部稽古

18:00~18:30…反り腰用ワーク

18:30~19:00…助手先導アップ

19:10~21:30…現代シーン稽古


メニューが今回細分化している理由は、主に演出家の予定に助手が半ば振り回され(咳払い)

俳優も含めて皆が柔軟に対応させて頂いた為に、多種多様な過ごし方となりました。

演出家も現在フライヤー制作や予約フォームの方を進めてくれているので、ありがたいです。


さて、まず助手先導アップの話をします。

助手が演劇の世界に足を踏み入れたきっかけは、大学一年生で演劇サークルに加入したこと

なのですが、もうかれこれ七年前になります。そこでよく行われていたメニューがこれです。

2mほどの一本の線に沿って、身体の統率を取る訓練をしながら、移動していくというもの。

これ、身体の力を抜いたり体幹が物を言ったり、筋力も欠かせないのでかなりハードでして、

私も七年ぶりに挑みましたが、この記事を執筆している今絶賛筋肉痛に苦しめられています。

(我ながら七年記憶の片隅に封印していた運動をよく思い出せたものだなあと感心しています)

具体的な内容は伏せますが、名前のある物が複数あるので名前だけでも記録として残します。

【ステップ、白鳥、ゴム跳び、大股、歌舞伎、キック、前々後ろ後ろ横横横横、花】(謎だあ)


続いて、回想組の稽古について。

本日は主役の回想に出てくる女性陣が勢揃いした為、主演俳優が引っ張りだこの一日でした。



今作は一人の男の人生をなぞるような形で物語が進行するので、必然的に出番が増えるのです。

その分一人の人間を軸に見ることが出来るので、共演者の個性が発揮されやすいのも特徴かと。


舞台経験の少ない方もいらっしゃるので、動きに苦戦したり、役の解釈が不充分だったりと、

各々の課題にそれぞれが直面している様子が浮き彫りになる時間もしばしば出てきています。

それでも、該当シーンに出ていない間に他の俳優から学ぼうとする姿勢が皆に見られるので、

座組の一員として、なんとしてでも皆さんに何か持って帰ってもらえたら良いなと思います。


17時に回想の稽古を終えて、今度は現代のシーンの稽古を抜粋して行いました

(本来は17時に演出家張本人が早退予定だったのですが、どうしてもと延長で)。

二人しか出てこない、5分もかからないシーンの稽古に45分も割いていました。

伸びしろが見える分、より良くするにはどうしたら良いかを考えているようで、

急遽呼ばれた俳優二人とも、最後まで集中して向き合ってくれている様でした。

ありがたいことです……。



休憩を挟みつつ、18時以降は引き続き助手が先陣を切って稽古を進めていきます。

反り腰用ワークについては少しの記述に留めますが、腹式呼吸が苦手な方の中には

反り腰が原因とみられるケースがあるので、経験に基づく改善方法を共有しました。

反り腰かどうかのチェックに始まり、バスタオルを使って日常から改善してもらう。

今公演中に完治するかどうかは本人次第ですが、少しでも楽になってほしいですね。


さて最後に、後半の現代シーンの稽古の話をします。

この約二時間の間に、助手である私が脳みそ疲弊しきったヒントがあります。


そもそもちゃんとした団体やプロの世界で求められる俳優の力というのは、

恐らく自己プロデュース能力、自己演出能力、ではないかと思います。

勿論それが全てではないですが、演出家が作品を演出するに当たって、

俳優自身の表現力が高い方が、完成に至る道筋も見えやすいのかなと。

稽古の中で巧くなる事は、本来演出家の時間を割く事では無いのです。


とはいえアクトが現在募集を掛ける俳優には、そういった能力だけを最初から

求めている訳ではないことも確かです。前向きな意欲がある人とご一緒したい。

だからといって、足を運んでいただくお客様に見せられる作品には仕上げたい。

今回携わってくれる俳優の多くは、どんな形であれ演劇の世界が好きで参加し、

取り組むのであれば良い作品にしていきたい、と考えている人達ばかりでして。

せっかくの熱意を無駄にしたくなくて、私も全力で一緒に稽古に挑んでいます。


長々と書いて参りましたが、要は、その俳優を演出を付けられる状態に持っていく。

この作業をする場所が、意外と多くないのではないかと私個人は考えているのです。

そしてこの日の稽古で、確かに俳優が進化する様を全員が目の当たりにしたのです。


具体的な話は長くなること、そして記事の更新が永遠に出来なくなりそうなので、

詳しい話はどこか別の場所(恐らく友稀日記)にて徒然記述しようかと思いますが、

私の入れ知恵で、見ていた俳優たちから拍手が起こった瞬間は嬉しかったですね。


確実に、より良い作品に仕上げる算段が進んでいます。

少しでも多くの方に作品が届く事を願いつつ、引き続き邁進して参りますので、

今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。


それでは、また次回。


筆責:友稀(演出助手)

Project Act Tokyo

ありのままのあなたと 表現活動を。