8月25日
8回目の稽古だったそうです。
そして、いよいよ本番まで1か月を切りました。
俳優の皆さんも演出家も、果たしてどんな気持ちで過ごしているのやら……。
さて、まずは更新が遅くなってしまい、申し訳ありません。
執筆者である演出助手こと、友稀の方がいよいよ業務に追われ始めており、
チケット管理や音響の調整、今後の自主稽古の計画立て等に悩んでいます。
しかし来週の稽古場記録は、なんと俳優さんの一人が執筆してくれるので、
もし記録をご覧になっている方がいらっしゃいましたら、是非お楽しみに!
この日は、都度稽古場に居るメンバーで出来るシーンを当たりました。
安城が俳優として参加することが決まってから初の稽古だったことや、
他の配役も最終決定して、全員が本役で稽古に挑むことができたので、
音響も入れながら、やっと全体像が見えてきたなと思える時間でした。
衣装を着用して稽古に挑む方も多く、使える写真に限りが出てくる頃。
今回も、書ける事が少ない中で文章のみの構成になってしまいそうで、
そろそろ潮時でしょうか。再来週が最後の記録かなあと考えています。
なかなか本題に入れないのですが、私が音響の練習も兼ねていた為に、
稽古の流れや空気を注視できておらず、冷静な分析に至らなかった事
が主な要因かと考えているので、今回の記事では印象に残った瞬間に
焦点を当てて執筆してみようかと思います。何卒宜しくお願いします。
①転換
舞台だからこその特徴とも言える、転換。
編集技術の必要な映像の世界では、まず映るはずがない部分だと思います。
一つの環境だけで成立してしまうワンシチュエーションものなら別ですが、
今作は回想と現実世界を行ったり来たりする性質上、転換が必ずあります。
ここで好みが分かれるのが、真っ暗な状態で場面を変えるのか、それとも、
照明で工夫しつつ、あえてお客様に見てもらうのか、という点になります。
受ける印象が変わり、観客の集中力に影響するので、一筋縄ではいかない。
この日の稽古では、本来見せる予定の無かった転換を見せる事にしました。
物理的に危なかった点もありますが、俳優の移動の様子が見ていて美しく、
かつ、これからの展開に胸が躍るような感覚が、見ていた私に沸き上がり、
演出家に見せようと提案したところ採用された、という時間がありました。
どこのシーンなのか分かる方は、比較対象が無いので恐らく居ないと思う
のですが、万が一気付いた方は是非お声掛け下さい、友稀は大変喜びます。
②動き
俳優人生の中で殆どの方が出くわす、長台詞や長い一つのシーンにおいて、
やはり動きたくなってしまうのは仕方ないことなのだろうと思うのですが、
動きながら喋った場合と動かずに喋った場合とで、受け取る印象が大きく
変わってしまうのが、この演劇世界の面白さの一つだと私は考えています。
具体的な変化については人によって変わってしまうので、ここでの言及は
避けますが、誰と共演して、どんな雰囲気を感じるかによって変わるので、
稽古をする度に新たな発見が出てくる奥深さを持っていて興味深いのです。
③心理
アクトという団体が、舞台作品に向き合う中で大切にしたいと考えている
ことの一つに、”生身の人間の面白さ、興味深さ”というものがありますが、
体感して初めて分かることの多い部分でもあり、ここで深くは書きません。
しかし様々な俳優が居る中で、演技を”している”人と、演技に”なっている”
人はやはり別物であると肌で感じる瞬間が私は多いです。勿論良し悪しの
話ではなく、あくまで違う個性を実感するだけなのですが、同じ板の上に
立つ以上、一人一人が魅力的に映って欲しいと思うので、俳優個人の心理
状態が大きな要素を占めてくるのが、アクト作品の特徴だと思っています。
この日、とある俳優さんの本心を私が少しだけ引き出せた手応えがあって、
「あと一か月」と私が勝手に頭を抱える瞬間があったのがハイライトです。
最後まで一緒に走ってくれるという確信はあるのですが、今のままですと
本人も私も不完全燃焼で終わってしまいそうな予感があるので、何か力に
なることがあれば、と今から思案が止まりません。こちらも興味深いです。
以上三点、この日私が強く印象に残った部分です。
俳優の皆さんが日に日に逞しく、頼もしくなっていく様子が見れるのですが、
果たしてこの稽古場記録では、読者の皆様にどう映っているのでしょうかね。
恐らく、9月1日と8日の記録執筆を残すのみとなりますが、キャスト紹介
の記事も公開する予定ですので、最後まで気に掛けて下さいますと幸いです。
それでは、また次回。
筆責:友稀(演出助手)
0コメント